2018年11月4日日曜日

K-CUP感想文


こんばんは、WEB担当です。今回はK-CUPで4th best teamになったトリステンさんとあまちゃんのペアのあまちゃんにブログを書いていただきました!!!


7月7日に行われたNA大会、K-Cupは自分にとって大きな転機であったと言えます。先輩から「1年生のうちかいろんな大会に出て経験を積んだ方がいいよ」というアドバイスを頂き、「せっかくだから遠征もしてみよう!」とほんの軽い気持ちで決めた名古屋ディベート遠征。しかしそれは、想像以上に過酷なものでした。
まず、ペアがアメリカからの留学生、Tristen(愛称:トリちゃん)でした。これは予想外でした。まさかの留学生と二人旅です。しかも夜行バスで、です。(さすがに席は離れていましたが・・・)出身地の全く違う二人で、往復16時間の旅。これだけでも十分、強烈な体験でした。
私が最も苦労したのは、なんと言ってもプレパです。トリちゃんは日本語が流暢というわけではありません。となると、もちろん使われるのは英語です。これがなかなか難航しました。練習の段階では彼の意見がうまく飲み込めないことが多く、First とSecondの主張が食い違っていたり、そうかと思えば彼の流暢さに私が萎縮してしまって思うように話せなくなってしまったり・・・といった悔しい思いをたくさんしました。何度もくじけそうになり、「出場したくないな・・・」と思ったことさえありました。しかし、春学期間(4月〜7月末)までしか日本に滞在できないトリちゃんにとってはこれが最後の大会です。もちろん、フィナーレに向けて彼のやる気は十分です。そんな彼の足を引っ張るわけにはいきません。出場取りやめなんて、もってのほかです。「同じやるなら、トリちゃんに賞状を持って帰国してもらいたい!」その一心で、早口の英語にも最後まで食らいつきました。
そして迎えたK-Cup当日。早朝に名古屋についた我々は、なぜか大会前のウォーミングアップとして散歩をしていました。大学の場所を確認した後、トリちゃんは「3km先の公園で朝食を食べたい」と言い出したためです。しかし体力のない私が1kmほどで音をあげ、仕方なく道端でコンビニのパンをかじりました。今思えば、あれさえもいいプレパ練だったと思います。道中、いろんな話をしたからです。体も頭も温まり、悪くないコンディションで大会のスタートを切ることができました。
1ラウンド目は、「THB Tiger Parents give more harm that benefit」(Tiger parents …子どもの学力や運動能力等を高めるために、躾を厳しくする親)のOPP側でした。つまり、Tiger ParentsのBenefitを挙げなくてはいけません。能力を伸ばすために躾は重要であることや、多少厳しさを幼い頃から知っておくことで将来のストレス耐性が身につきやすいことなどを論じました。
2ラウンド目は、「Nation allow the production of animated child pornography」のGOVでした。あくまで本物の幼児搾取を行うのではなく、「アニメ」とワンクッション置くことの重要さ、またあくまで架空の人物を取り扱った「創造物」なのだから表現の自由があるべきだということを中心として、論を組み立てました。
1、2ラウンド目は好調だとも言える滑り出しでした。どちらも勝つことができたので、トリちゃんはご満悦です。私も素直に喜びを噛みしめることができました。しかし、問題は3ラウンド目だったのです。Motionは「THW criticize the committing suicide」でした。自殺の是非。暗いテーマです。しかもサイドはOPP。私たちの間に緊張が走りました。サイレントの試合だったので、つまりいつもの様に即座に勝敗も出ません。順位が出た後で、初めて勝敗が明らかになるのです。私はスピーチの中で、ひたすら「自己決定権」の重要性について話しました。その人にとって「自殺」が幸せへの唯一の道だとするならば、その意思を尊重しなければいけないというものです。自分なりに例も練り、自信満々で話していたつもりでした。しかし、相手側からのPOIで「もしその人が家族や大切な人だったら同じ風に考えられるか」と痛い質問を聞かれ、言葉に詰まりました。そこから一気に自分の意見に自信が崩れていき、最後の方は早くみんなの前から離れたくてたまらなくなるほどでした。つまり、明らかに尻すぼみになってしまったのです。
これは最も避けたいと思っていた失敗でした。自信がないせいで足を引っ張ること、これは恥ずべきことだと思っていました。一緒にここまで頑張ってきた、トリちゃんに手をついて謝りたくて仕方ありませんでした。しかし、うまく言葉が出ませんでした。「最後は私のせいで負けてしまったようなものだな…」と思うと、情けなくてたまらなかったからです。
和気藹々としたコミュニケーションラウンドをなんとか白星で乗り越え、そして結果発表。私は「どうか2勝だけでも入賞できていますように…」と祈り通しでした。しかし、なかなか「Sophia A」は呼ばれません。そのうち、ベスト5のチームが読み上げられるところまでやってきました。実は「4th best team Sophia A!!!!!」と呼ばれたのは、実は「もう入賞は無理なのかな」とぼんやりと考えていた矢先のことだったのです。
その瞬間の気持ちの高揚を、私はいまでもはっきりと覚えています。お腹の底から暖かい喜びが一気に湧き上がってくるようでした。入賞。初めての入賞。その喜びと、そして達成感に包まれていました。当初の「トリちゃんに賞状をもって帰国してもらう」という大目標を無事に達成することができたからです。賞状を受け取ってからも、にわかに信じられませんでした。「4th best teamとは・・・?」といった感じでした。でも、認められたのです。国籍も体格も普段話している言葉も違う私たちが組んだペアが、いま「4th best」と認められたのです。その言いようのない喜びに包まれながら、私たちは帰路につきました。英語プレパを通して入賞できたこと、そして帰り際でトリちゃんが「You did a good job as the second speaker!」といってくれたことは忘れられません。これからも私はきっと何度もディベートで悩み、苦しみ、時には挫折をしかけるでしょう。強い相手からけちょんけちょんにやられるかもしれないし、うまく言いたいことを伝えられなくて自己嫌悪に陥るかもしれません。しかしその時は何度もこの出来事を思い出して、勇気と、一番大切な「自信」を奮い立たせるのです。初めにも申しましたが、この大会は大きな転機でした。ディベートの厳しさ、しかしそのプレッシャーを乗り越えた喜びを、存分に味わうことができたのですから。

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